2002-11月例会報告

１１月例会は１１月１６日（土）午後５時から、かでる２・７の６階和室研修室Ｂで行なわれました

【時間割】
17:00～17:20　セットアップ（兼自由時間）
17:20～17:30　初参加の方ご紹介
17:30～18:15　デモ1：Mac OS X（Jaguar）たぶんその壱
18:15～18:45　休憩（兼自由時間）
18:45～19:30　デモ2：Squeak
19:30～20:00　自己紹介・じゃんけん大会・撤収
※例会終了後、希望者は近所でお食事会。

Mac OS X (10.2)

Mac OS X（Jaguar）の新機能、知っていると便利な機能
Jaguar の飼いならし方（カスタマイズ）

Squeak

歴史背景
- ３０年前にアラン・ケイが将来、コンピュータはどのように進化するかを考えた。
- そのコンセプトに「Dynabook」と名付け、当時の技術で可能な限りを実現しようとした。
- そうして作られたハードウエアが「Alto」、ソフトウエア(OS) が「Smalltalk」。
- ジョブズは「Smalltalk」を見て愕然とし、Lisa/Mac を作った。
- ただしいろいろな理由で、見た目だけしか真似できなかった。
- Squeak は Smalltalk を使って、90 年代後半に Apple に所属していたアラン・ケイがスタート。
- オファーを受けていた Disney のイメージから Squeak とたまたまフォルダに名前を付けていた。
- 実際に、先端技術研究所はリストラに遭い離散、アラン・ケイらは Disney へ。後に非営利団体を設立。
- ポイント：Smalltalk はプログラム言語として知られるが、その正体は現在のものとは異質なコンピュータ環境
動作環境
- 仮想マシンというしくみをつかって既存の OS に寄生する OS 。
- 仮想マシンが走る環境なら、Squeak はどこでも同じように動く。
- Mac、Windows、Linux、PlayStation2、Dreamcast、Windows CE、ポケットポストペット！
- 最低限必要なのは仮想マシンと仮想イメージ。Virtual PC のディスクイメージのようなもの。
- Squeak 環境は、ファイルやアプリケーションソフトの代わりに「オブジェクト」というもので構成。
- 仮想イメージにはそのオブジェクトが収められている。
- オブジェクトの設計図(ソース)を収めた、ソースファイルと、チェンジファイルがあればほぼ完璧。
- ポイント：仮想マシン(マシン依存的)＋仮想イメージ、チェンジファイル、ソースファイルが必要
- ポイント：チェンジファイル、ソースファイルはただのテキスト、仮想イメージはバイナリ互換。
操作基礎
- ウインドウとメニューで操作。
- メニューバーはない。
- ３ボタンマウスを想定。それぞれ赤、黄、青ボタンとよぶ。
- 赤ボタンは、ワンボタンマウスと一緒。編集対象の選択や操作に使う。
- 黄ボタンは、選択した編集対象に施す処理を列挙したポップアップメニューを出すのに使う。メニューバーはいらない理由。
- 青ボタンは、編集対象を含むウインドウの操作。タイトルバーで代用できるので今はいらない。別の機能が割り振られている。
- 現在、青ボタンは、描いた絵などを選択してハローボタン(ハローは、聖人が背負っている後光の意味)を表示させるのに用いる。
- テキストの編集方法は Mac とほぼ一緒。なぜなら、まったくの同一自分が作ったから。
- ちょっと違う機能もある。２カ所を続けて選択して、両者を入れ替える機能だとか。
- 絵も描ける。でもペイント機能がそのまま使え、描いた絵は画面にそのまま現れる。
- ドロー系図形も扱えるが同上。
- アプリケーションという概念がない。すべてはオブジェクトで表現される。
- ウインドウもメニューもオブジェクトなので、図形と同じように回転したりもできる。逆さになっても機能する。
タイルスクリプト(子供、非プログラマ向け)
- 青ボタン選択、右手の水色ボタンで「ビューワ」を表示。
- オブジェクトの情報を表示する。オブジェクトを動かすと座標の位置などがリアルタイムで変化する。
- オブジェクトに指示を出すパネルの黄色い「！」マークをクリックすると、その動作をさせられる。例：５ドット前へ薦め。
- そのパネルをデスクトップにドラッグ＆ドロップすると、プログラム(スクリプト)になる。
- ドラッグ＆ドロップでどんどんプログラムを複雑にできる。文法エラーは起こりえない！
- プログラムは走らせている途中でもパーツ単位でどんどん変えてゆくことができる。Squeak 自体がそう。
オブジェクト指向プログラミング(大人、専門家向け)
- Pen というオブジェクトに new というメッセージを送ると子供ができるのでそれに pen と名付ける。
- Sensor というオブジェクトに yellowBottonPressed というメッセージを送ると、黄ボタンが押されているかどうかが分かる。
- 黄ボタンが押されるまでの間繰り返す。
  - 赤ボタンが押されていればペンを紙に押しつけたままカーソルの位置に移動。
  - そうでなければ、ペンは紙から離してカーソルの位置に移動
```
pen ← Pen new.
[Sensor yellowButtonPressed] whileFalse: [
  Sensor redButtonPressed
    ifTrue: [pen goto: Sensor cursorPosition]
    ifFalse: [pen place: Sensor cursorPosition]]
```
- これを選択して黄ボタンメニューから do-it 。
- ボタンを押すと線が描かれる。簡単なペイントソフトのできあがり。
- 描いた絵を保存したければ、
```
GIFReadWriter putForm: Form fromUser onFileNamed: 'paint.gif'
```
  を追加するだけ。
- Squeak 環境ではどこでもプログラムの実行が可能。計算機なんていらない！(笑)
- ポイント：ドロー系ソフト＋スクリプト、ワープロ＋プログラム実行環境…普通のコンピュータ環境のいろいろなアプリの提供する機能が混在する不思議な世界。
おまけ
- Croquet (クロッケー)。アラン・ケイが今の技術で OS を作るとしたらどんなものになるかを試した。
- デスクトップではなく、３次元空間をそのままコンピュータの中に再現。
- ウインドウも３次元空間に浮かばせる。
- 従来のデスクトップは、その中に描く。近づいて操作。終わったら遠ざかる。
- 空間を新しく用意することも可能。
- ウインドウを隔てて空間を接続する。部屋をつなぐのに廊下やホールは仮想現実の中では不要。どこでもドア的感覚。
- 空間を用意して、ネットを介して人が集まり、情報を見せ合ったり、協力して何かを作ったりする。
- ３Ｄオブジェクトを追加するのも簡単。
- OS X の Dock をビジュアルメニューとして流用。
- Squeak の上で構築されている！

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ＨＭＵＧ活動記録ページ　最終更新: 2006-12-26, 16:51:05 <pharm88>

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