Swiki
Squeak 環境上に Smalltalk 言語で実装された Wiki クローン。原則として Squeak 環境が動作するプラットフォームでなら動かすことができるので、Win、Mac、Unix/Linux はもちろん、変わったところでは Windows CE マシンで運用されている Swiki サーバー(http://swiki.itolab.com:8080/oohito/2)というものまであります。
--sumim
Swiki のお手軽セットアップと運用
Swiki のセットアップには、Swiki のソースコードを入手してそれを別途入手済みの Squeak 環境にインストールして使う方法と、あらかじめ Swiki インストール済みの Squeak 環境を入手して使う方法があります。前者はすでに Squeak/Smalltalk 環境を日常のパーソナルコンピューティングに役立てているユーザーに、後者は Squeak/Smalltalk 環境にあまりなじみのない(あるいは Wiki システムは運用したいが Squeak/Smalltalk 自体には興味のない)人に向いています。前者については、梅澤さんが紹介しているので、ここでは“お手軽”な後者を紹介します。
Swiki を“お試し”などの目的でただ動かすだけなら、必要なファイルをダウンロードして、起動し、画面に出てくるサーバーをスタートするためのボタンを押す…だけのいたって簡単な手順で、すぐに使い始めることができます。
- インストール済みアーカイブを入手して適当なフォルダ(ディレクトリ)に展開
- http://minnow.cc.gatech.edu/swiki/downloading
- 主要なプラットフォーム向けのアーカイブが用意されていますが、中身はほとんど一緒です。
- OS X は tar を使わなくとも StuffIt Expander で大丈夫です。
- Mac OS/OS X ではパスに日本語が含まれていると次の手順(Squeak 環境の起動)に失敗することがあります。ComSwiki フォルダに解凍時に自動的に「フォルダ」などが追加されている場合はこれを削除したり、ComSwiki フォルダ自体もデスクトップに置くなどして、パスに日本語が含まれないようにしてから試してみてください。
- squeak.image を Squeak VM (Win なら .exe 、Mac なら .app 形式のアイコン)にドロップイン
- Squeak 環境が起動してウインドウが現れます。
- ウインドウの中にはさらに独自のデザインのウインドウが2つあります。
- ComSwiki Launcher ウインドウ右端の port: 80 ボタンをクリックして使用するポート番号を選択
- ローカルで使用するときは port: 80 のままで、80 が使えないときは 8080 を選ぶとよいでしょう。
- ComSwiki Launcher ウインドウ左端の start server ボタンをクリック
- しばらく待つと、緑色だったボタンが赤色になります。
これでサーバーは起動しました。Web ブラウザで http://127.0.0.1/ に(ポート番号を 80 以外に設定したときは http://127.0.0.1:8080/ などとして)アクセスしてみてください。「Swikis on this Site」という画面が現れれば成功です。あとは管理者用のユーザー名とパスワードを設定し、用途別に新しい Swiki ブック を作って運用を開始できます。管理者用のユーザー名とパスワードの設定と、新しい Swiki ブックを作るには管理者画面に移動して作業します。手順を示します。
- http://127.0.0.1/admin (ポート番号 80 以外の場合は http://127.0.0.1:8080/admin などとして)にアクセス
- ユーザー名とパスワードを要求されるので、それぞれ admin 、password と入力して決定
- 画面上段から Security ボタンをクリック
- 右下の入力欄に : で区切って適当な管理者ユーザー名とパスワードを入力
- 左下の update security ボタンをクリック
- これで管理者のユーザー名とパスワードを変更できました。
- 以後、この管理者画面に移動するには、ここで指定したユーザー名とパスワードが必要になります。
- 画面上段右手の Create ボタンをクリック
- Name 欄に新しく作る Swiki ブック名を入力
- このブック名は URL も兼ねるので短くてわかりやすいものがよいでしょう。
- ここでは仮に test とします。
- 左下の create new Swiki ボタンをクリック
- 左手のコラムに test が追加され、新しいブックの管理画面が現れます。
- 画面上段中程の Go There ボタンをクリック
- 新しい Swiki ブックへのアクセスを開始します。
- URL は http://127.0.0.1:8080/test になっているはずです。
これでまっさらな Swiki ブックを作ることができたので、あとはページを作ってリンクを増やしてゆけばよいでしょう。新しいページを作ってそこへのリンクを張るには、次の手順を踏みます。
- edit ボタンをクリック
- 表示中のページのタイトルやソースを編集するための画面があらわれます。
- ソース中に新しいページのタイトルにしたいフレーズを入力します。
- たとえば、ここでは「new page」とでもしましょう。
- 新しいページのタイトルにしたいフレーズを * でくくります。
- 入力欄の左下の save ボタンをクリック
- new page の直後に作られた create ボタンをクリック
- 新しいページが作られ、その編集用の画面が現れます。
- 適当な内容を入力して左下の save ボタンをクリック
この調子でどんどん新しいページを作ってそこにリンクをつなげてゆくことができます。すでに存在するページ名を * でくくると create ボタンを現れずそのままリンクになります。
デフォルトでは日本語を入力しても文字化けしてしまいます。とりあえず日本語を扱えるようにするには一カ所だけ Swiki のソースコードに手を加える必要があります。下のいずれかの方法で可能です。
ここで紹介した方法はあくまで“お手軽”運用手順ですので、気に入って本格的に使用するに際しては help や admin tools (管理者画面) の help にきちんと目を通されることをお薦めします。また、Swiki サーバーは他の Wiki 同様、自由にソースをいじることができ、自分好みに代えてゆくことができます。ただそのためには Smalltalk/Squeak について、ある程度知っている必要があります。このとき、Squeak 環境に備わった各種開発用ツールを使うのがよいのですが、残念ながら Swiki プレインストール版の Squeak 環境からはこうした機能が削られてしまっています。もし、Swiki の動きを勉強したり、どんどん改変を加えてゆきたいと思ったら、Swiki プレインストール版ではなく、公式リリースの Squeak 環境に改めて Swiki をインストールする手順を踏んで Swiki サーバーを構築するほうがよいでしょう。
--sumim
質問などはお気軽に
Squeak/Smalltalk をよく知らない人には、いろいろな意味で驚きを持って受け止められるのが端で見ていて楽しい。Squeak 環境に直接、ではなく、Comanche と言う Web アプリケーションフレームワーク(やはり Smalltalk で実装)の機能を拡張するかたちで実現されている。 私は当たり前だと思っていたが(笑)、サーバを止めることなくパッチを当てられるのは Squeak/Smalltalk 環境ならでは、とか。(もっとも、いったん仮想イメージを保存せなあかんので、実際にはサーバは止めるけどね(^_^;))
Wiki Way によると、私が思っている以上に Wiki コミュニティでは Swiki の存在は大きく捉えられているらしい。ジョージア工科大学での運用例は特筆に値するのだろう。ただ、これを成功させたのは Swiki が Squeak で実装されているから…ではなく(^_^;)、Wiki Name の廃止や HTML タグの積極的導入などのオリジナルからの仕様および方針の転換が大きいと思われる。Wiki クローンサイトや2ちゃんねるスレを見ていると、Swiki のこうした特殊性が、陰に陽に既存 Wiki クローンメーカーに示唆を与えているのを垣間見ることができておもしろい。Swiki Way っちゅう書籍がいるかもね。--sumim
Common Lisp による http サーバも、止めることなくパッチを当てられることを利点として謳っていましたね。--SHIMADA
雷は怖いですねぇ…(^_^;)。勉強になります。--sumim
hallo!
Ich heiße Phillip ... versteht mich wer?--Phillip
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